普通日記

働くトリネガ、絵描き修行中につき

検査、診察、治療開始

8月21日はPET検査なので朝食は抜きだ。体調が悪くてめまいか、空腹でめまいか分からない。昼からの予約なので炎天下の中を歩いてPETセンターに向かう。目の前に看板が見えているのに遠く感じる。身体が重い。ゆっくりと歩かなければ動悸と息切れがひどい。さらに空腹。腹減ったぞ。貧血と倦怠感はいまだに残るFECの影響なのだろうが、なぜか食欲だけは復活傾向にある。味覚障害も回復していないのに。なんだこれは、食い意地か?

検査の前に水を500cc飲むのだが、看護師さんが優しく「飲めるだけでいいですよ、無理しないでくださいね」と言ってくれる。水だって腹の足し。イッキ飲み。おかわり下さい!

PET終了後、その場で検査データを受け取りオンコロジーセンターに行く。初めての総合病院も戸惑ったが、まったく別の意味で戸惑う。病院っぽくない。ホテルのロビーのような雰囲気だ。受付でデータ渡し、今日はここまでかと思えば、先生の診察があると言われる。今までは検査ひとつするのに1週間は平気で待たされ、結果が出るまで待ち、主治医にはいる会えるの?という感じだった。

そんなオンコロジーセンターのシンプルな流れはいいのだが、この時すでに午後の3時半。もはや空腹どうこうではない。疲れてヨレヨレである。まわりの待っている人たちは和やかにおしゃべりしていて、どうやらお盆明けから治療開始の人の話も聞こえてきたが、そこに入っていく気力すら失せていた。植松先生の初診察で緊張レベルはMAX。座っているのに動悸息切れめまいのオンパレード。どうする、こんなで。大丈夫か、自分。

5時少し前に診察室の扉があいて名前を呼ばれる。ド緊張しすぎて頭の中はスッカラカンである。沈黙。なんか言ってください、先生!

挙動不審な私に、植松先生がPETの画像を指して「ずいぶん縮小して今はこんな感じ。抗がん剤で苦労した甲斐があったね」と。

すっかりバカになっている私は「はいぃぃぃ、もう苦労しました、もう、ほんと抗がん剤イヤですぅぅぅぅぅ」と・・・。

んなこと言ってる場合じゃないだろっ、とその日の自分につっこみたい。

そしてバカスイッチONの私を置き去りに「薬の効くタイプの人は放射線の効果が出やすいから。機械があいてるから今から治療できるけど、どうしますか?」と冷静に言われる。やります、やりますとも!よろしくお願いします。ヨロヨロだけど。

そして初めての照射。治療そのものは数分で寝ているだけなのだが、興味をそそるメカがそこに。すごい、見たい、見たいけど動いちゃいけない。メカーーーー!!!

岡本太郎太陽の塔みたいな形のヤツが寝ている自分の周りをぐるりと旋回するのだ。マニア心をそそる治療の部屋なのである。まずはここで1か月か。いよいよ新しい道に踏み出しちゃったのだな。片道通行だけどな。いろいろ捨ててきちゃったし。もしかしたらこの選択は・・・とスカスカになった頭で考えないわけでもないが、それにしても腹減ったぞ・・・・。