初体験する:The.意識不明!
意識不明といってもね、本人はまったく分からないんだけどね。なんつっても意識飛んでるから。
放射線照射の後に激しい頭痛の波がグイグイ押し寄せるので、痛み止めの点滴をしてもらっていた。これがまた良く効いて数分で楽になった。母と妹が主治医に説明を受けている間、ぽんちゃんと「こりゃーいいぞ、効くねぇ」とゲラゲラ笑いながら話をしていたはず。はずなのだが、気がつけば大声で呼ばれてるし、人に囲まれてるし、なんかCTだかMRIだか撮ってるし、主治医自ら針刺してるしー。
看護師が気づいて、説明を終えて戻る主治医を追いかけて処置してもらったらしい。そういえば、ここはどこだと思ったら個室だった。広いけどショボい。
まつ毛が濃くて黒目が大きいので、痩せた顔でカーっと目を見開いたまま動かなくなった私はちょいとホラーな感じだったようだ。
この時に、母はウェーンと泣いて妹に速攻で泣くなッ!と一喝されたが、だって悲しいんだも~んウェーン、だったらしい。うん、目に浮かぶよ。ある意味、母は強いのだ。
2度目はエセ意識不明。気を失いたいくらいの頭痛に耐えている時に、家のテレビが壊れてどうしよう、親戚にどこまで言ったらいい?公民館の配り物が…美術会からハガキが来てて…云々。知るかボケー、せめて質問は1個ずつしろー、と叫びたかったが何せ気絶希望レベルの頭痛。面倒くさいから黙りこんでみた。返事しない私にビビった母はナースコール押して、意識不明です、すぐに来てーと叫んだ。
イヤイヤイヤイヤイヤイヤ、違うから、意識あるから;^_^A
ある意味、母は最強なのだ。
3回目はトイレ。病室で介助してもらいながらポータブル使用中に。便秘だったんだよね。自分なりに頑張ったんだよね。あぁ、乙女の恥じらいもぶっ飛んだ。
残念ながら、幽体離脱とか三途の河とかご先祖様とか、そっち系の初体験はまったくなかった。意外とそんなアンビリバボーなのってないと思うんだよね。手相やら占いやらで霊感あるタイプだって必ず言われるけどさ、寿命が来たら無でしょ。無だと思うわー。とか言ってるから転生しないって言われんのかな。