普通日記

働くトリネガ、絵描き修行中につき

鹿児島到着(治療前)

鹿児島空港から鹿児島中央駅までの直行バス(1200円、天文館他バス停あり)にタイミングよく乗り継ぎ、夏の緑が押し寄せてくるような山間部の高速道路を走る。空が広い。目線の先に空が見える。長野ではこうはいかない。目線の先には必ず山!

鹿児島は生命力に溢れているように感じる。それは城山観光ホテルについてから、さらに強く感じた。城山、意外とパワースポットなのかもしれない。余談だが、ザビエル公園は心霊スポットと一部で言われているらしいが、夜の10時に近くを歩いても何も感じなかった。公園なのになぜ暗い?とは思ったが、個人の波長によって受け方が違うのかもしれない。だとしたら、鹿児島全体から感じ取れる陽気なパワーは、きっと私にとって良いものに違いない。

 8月18日に桜島が噴煙を5000メートルも吐き出した。その翌日に鹿児島入り。妹には「ねーちゃん、もってるねぇ」とニヤニヤされる。いや、ちょっと待て、アンタかもしれないじゃないか。その後、数少ない友人たちから「やるじゃん、噴火」「さすがだよねー、桜島に歓迎されちゃったねー」などのメールが続々と。どいつもこいつも・・・。

 どこもかしこも灰色だ。こりゃ大変だ。しかし予想に反して街の中は電車もバスも人も、どこも混乱している様子ではない。ただ晴天にもかかわらず傘をさしている人が多い。実際に外出してみたら理由はすぐに分かった。頭からつま先まで灰だらけ。目もあけられない。なるほど、傘は必要だ。なのに街は普通に動いている。おそるべし鹿児島!

 城山観光ホテルから灰で白くなった桜島を見る。壮大な景色をただ黙って眺める。だんだん太陽が沈んでいく様を見ていたら、会社の先輩女史から着信がある。少し話をする。ちょっとグっとくる。これから先、けっこういい感じなんじゃないかと思った。根拠はないが、ただそう感じた。よろしく鹿児島!!

 夕食の時間が近づくとともに微熱がなんとなく治まってきた(ような気がする)喰うぞ、喰うったら喰う、薩摩フランス。

40代姉妹ふたりで見事な夜景を眺めながらのディナーである。フレンチベースではあるが、上品なプレートの小さく並ぶ食材は日本料理のように美しい細工が施され、それぞれの味がしっかりと印象づけられる工夫がされている。次々と出てくる料理はどれもおいしかった。ディナーの中盤、遠くで花火があがるのが見えた。よろしく鹿児島!!!

まだ味覚障害が残っている。万全の体調だったらもっと楽しめたはずなのに。残念。私の味覚障害の特徴は、上白糖と化学調味料の味が泥水になる。まるでセンサーが反応するように敏感に泥水になるのですこぶる迷惑である。現代に生きる上で化学調味料なしでどうやって食生活を維持しろと?しかし、城山観光ホテルのディナーはどれもおいしかった。そして朝食バイキングの充実っぷりに驚いた。大広間の隅から隅まで料理が並んでいて、とてもじゃないが食べきれない。

 贅沢な休日はここまでで、20日からは電車通り沿いのホテルに移る。朝食付きマンスリーを予約済みだ。15時のチェックインまで中央駅あたりを妹に案内してもらう。市電とバスに乗る為のプリペイドカード「ラピカ」を手に入れる。しかし、夏休み中の賑わいと慣れない残暑の過酷さにいきなり降参。スタバに避難するも人の動きと話し声でクラクラだ。翌日のPETは大丈夫だろうか。そして頼りの妹は早々に帰る予定になっている。夏休み中の子供たちを置いて鹿児島まで来てくれたのだ。心細いがここからは自分の戦いだ。とはいえ、なんとなくのんきで陽気な鹿児島の空気に戦意が失せる。良い意味で脱力。気合いなんか入れようが抜けようが、がんになっちまったものは仕方がない。治療と休暇の始まりだ。

 *ラピカ http://www.kotsu-city-kagoshima.jp/ticket-summary/rapica/

*市内の電車通りでマンスリータイプがあるホテルはかなり限定されるのでもしホテル希望であれば早めの手配をおすすめする。(安くないよ!)