普通日記

働くトリネガ、絵描き修行中につき

妖怪日和

自力で鹿児島に行かれない。とにかく悔しいのはこれだ。どうしても、転移が骨や他臓器だったら行けたのでは…と考えてしまう。そしてすぐに打ち消す。転移後、たくさんの想いや辛さを抱えながら治療している人たちを私は知っているのだ。
脳の転移はたぶん早い時期に根付いていたのだろう。不調の信号を私が見逃した。2月の検査で頭痛やめまいを訴えていたら…これもすぐに打ち消す。今さら考えて後悔しても現状は変わらない。だったら考えない。
オンコロジーではPETで全身の状態を見る。そこで再発転移なしの結果で意気揚々と帰ってきたのだが、PETには落し穴がある。もともと生理的集積がある脳や膀胱はわからないのだ。オンコロ真っ最中のお嬢さん方、自分観察を怠らないようにご用心ですわよ!

さて、話は変わるが、1ヶ月以上の長期入院は初めての体験である。まぁ、ほとんど頭痛と吐き気でのたうちまわっていた記憶しかないが、調子の良い日もたまにはある。ある日、よせばいいのに鏡で顔を見た。よっ、ご無沙汰だねぇ、自分。なんつってノンキにのぞき込んだら、そこには衝撃的なものがーッ! ボーボーだし、ヒゲボーボーだし。痩せこけたおっさんだし。
食欲のない私の昼ごはんを食べていた母に、いますぐ顔剃りさせろーと大騒ぎするが、はいよー、明日買ってくるねー、と、これまたノンキ。頼むから今すぐと騒ぎまくっていたら、たまたま来てくれた友人Kちゃんが売店まで走ってくれた。すまん。
スッキリしたところで改めて鏡を見る。痩せて目ばかりになっていた。もしタレ目だったらアンハサウェイじゃん。レ•ミゼラブルでコゼットを想いながら夢やぶれて熱唱する感動的なシーンを思い浮かべつつ、タレ目にしてみた。
こなきじじい…。
すっかり脱毛してるし…。
ゲゲゲ。