バカかもね
タロット占いによると、私は闘わずして死んじゃうらしい。
生命に続く道が真っ黒で見えないそうだ。
告知後、検査三昧で予想以上の悪い結果が出て、厳しい治療が始まる直前に
聞いた時は、さすがにこのタイミングってシビアよね~、と思った。
怖いくらい当たる・・・んだそうだ。
もうね、当たっててもいいや。
このタロットが示した「死」は明日かもしれないし、数年先かもしれない。
「闘わず」のところも、耐えているだけか、受け入れているかによって違うだろう。
そして、今日は受け入れているが耐えてもいる。FECで痛めつけられた胃腸の不調
に加え、暑さの追い討ちでボロボロになりつつ会社にいる。
治療が始まる前に、「仕事しながら治療している人っていますか?」と聞いてみた。
「え?仕事?会社行くの?根性いりますよ」と言われた。
でも全否定ではなく「たま~にいますよ、そういう人」とも言われたので、
不可能ではないのだな、と判断した。
今のところ「たま~にいる人」の枠に入っている。
別に仕事が好きってわけじゃない。キャリア志向バリバリの総合職でもない。
普通の会社で普通に事務員だ。40代としては収入もポジションも地味な部類
だと思う。しかし20年以上も会社員をやっていると、会社に行かない日常
というのが想像できない。
もう戻れないであろう、ありふれた毎日への執着かもしれない。
ところでだ、ある日突然がん告知されたとする。想像できる反応としては
だいたいこんな感じだろうか。
泣く、あたふたする、落ち込む、沈黙する、怒る、嘆く、信じない、現実逃避
神に祈る、ご先祖様に挨拶する、悔い改めるから勘弁してくれと叫ぶ、観念する
覚悟する、遺書を書く、証拠隠滅する、出家する、家出する、逆ギレする。
しかし、実際にこういう場面になると、ものすごくつまらない事を
言ってしまうものなのだ。
「仕事、どうしよう」
バカじゃないのか、自分。